エレベーターで出会った謎の少年のひとこと

仕事帰りに最寄り駅からマンションまで歩き、エントランスでエレベーターを待っていたときのこと。ちょうど同じタイミングで小学生くらいの男の子がやってきて、無言のまま一緒に乗ることに。

私が先に乗って「◯階お願いします」と言うと、その子は何も言わずに自分の階を押し、なぜかじーっとこちらを見てくる。目が合ったので軽く会釈すると、すぐに視線をそらしたけれど、なんともいえない不思議な空気が流れていた。

そして私が降りる階に近づいたタイミングで、彼がぽつりと「変なカバン」と一言。え?と思って振り返ると、すぐに「でもなんか、好き」と続けて、さっと降りていってしまった。あまりに唐突で、しばらくエレベーター内で笑いをこらえるのが大変だった。

確かに今日のカバンはちょっとくたびれたトートバッグ。革でもないし、ブランド物でもない。色味も微妙で、自分でも「そろそろ新しいの買おうかな」と思っていたところだった。でも、知らない子どもにそんなことを言われて、なんだか妙に嬉しくなってしまった。

家に帰ってそのカバンをじっと見てみたら、なんだかまだもう少し使いたい気分になっていた。子どもの言葉って、時に予想もしない角度から刺さるし、妙に励まされるものですね。

ただの帰宅途中の出来事だったけど、小さなやり取りでちょっと心が軽くなる。そんな日もあるんだなと、思えた夜でした。

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